ばくまついしんかいこだん 16 そのころのしょうぼうふのことなど
幕末維新懐古談 16 その頃の消防夫のことなど

冒頭文

江戸のいわゆる、八百八街には、火消しが、いろは四十八組ありました。 浅草は場末なれど、彼(か)の新門辰五郎(しんもんたつごろう)の持ち場とて、十番のを組といえば名が売れていました。もっとも、辰五郎は四十八組の頭(かしら)の内でも巾の利(き)く方でした。 いうまでもなく、消防夫(ひけし)は鳶(とび)といって、梯子(はしご)持ち、纏(まとい)持ちなどなかなか威勢の好(い)いものであ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 幕末維新懐古談
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年1月17日