せんとう
銭湯

冒頭文

それ熱(あつ)ければ梅(うめ)、ぬるければ竹(たけ)、客(きやく)を松(まつ)の湯(ゆ)の揚場(あがりば)に、奧方(おくがた)はお定(さだま)りの廂髮(ひさしがみ)。大島(おほしま)擬(まが)ひのお羽織(はおり)で、旦那(だんな)が藻脱(もぬけ)の籠(かご)の傍(そば)に、小兒(こども)の衣服(きもの)の紅(あか)い裏(うら)を、膝(ひざ)を飜(ひるがへ)して控(ひか)へて居(ゐ)る。

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日