ふたごのほし
双子の星

冒頭文

双子の星 一 天(あま)の川(がわ)の西の岸にすぎなの胞子(ほうし)ほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精(すいしょう)のお宮です。 このすきとおる二つのお宮は、まっすぐに向い合っています。夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座(すわ)り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛(ぎんてき)を吹(ふ)くのです。それが

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新編 銀河鉄道の夜
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1989(平成元)年6月15日