まほうびん
魔法罎

冒頭文

一 峰(みね)は木(こ)の葉(は)の虹(にじ)である、谷(たに)は錦(にしき)の淵(ふち)である。……信濃(しなの)の秋(あき)の山深(やまふか)く、霜(しも)に冴(さ)えた夕月(ゆふづき)の色(いろ)を、まあ、何(なん)と言(い)はう。……流(ながれ)は銀鱗(ぎんりん)の龍(りう)である。 鮮紅(からくれなゐ)と、朱鷺(とき)と、桃色(もゝいろ)と、薄紅梅(うすこうばい)と、

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻十五
  • 岩波書店
  • 1940(昭和15)年9月20日