えんしょ
艶書

冒頭文

一 「あゝもし、一寸(ちよつと)。」 「は、私(わたし)……でございますか。」 電車(でんしや)を赤十字病院下(せきじふじびやうゐんした)で下(お)りて、向(むか)うへ大溝(おほどぶ)について、岬(みさき)なりに路(みち)を畝(うね)つて、あれから病院(びやうゐん)へ行(ゆ)くのに坂(さか)がある。あの坂(さか)の上(あが)り口(ぐち)の所(ところ)で、上(うへ)から來(き)た男(を

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻十五
  • 岩波書店
  • 1940(昭和15)年9月20日第1刷