インドさらさ
印度更紗

冒頭文

一 「鸚鵡(あうむ)さん、しばらくね……」 と眞紅(しんく)へ、ほんのりと霞(かすみ)をかけて、新(あたら)しい火(ひ)の𤏋娜(たをやか)に腰(こし)を掛(か)けた、年若(としわか)き夫人(ふじん)が、博多(はかた)の伊達卷(だてまき)した平常着(ふだんぎ)に、お召(めし)の紺(こん)の雨絣(あまがすり)の羽織(はおり)ばかり、繕(つくろ)はず、等閑(なほざり)に引被(ひつか)けた、其(そ)の姿

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「中央公論」1912(大正元)年11月

底本

  • 鏡花全集 巻十四
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年3月10日