さんにんのめくらのはなし |
| 三人の盲の話 |
冒頭文
一 「もし〳〵、其處(そこ)へ行(い)らつしやりますお方(かた)。」……と呼(よ)ぶ。 呼(よ)ばれた坂上(さかがみ)は、此(こ)の聲(こゑ)を聞(き)くと、外套(ぐわいたう)の襟(えり)から先(ま)づ悚然(ぞつ)とした。……誰(たれ)に似(に)て可厭(いや)な、何時(いつ)覺(おぼ)えのある可忌(いまは)しい調子(てうし)と云(い)ふのではない。が、辿(たど)りかゝつた其(そ)のたら〳〵上(あが
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「中央公論 第二十七年第四號」1912(明治45)年4月
底本
- 鏡花全集 巻十四
- 岩波書店
- 1942(昭和17)年3月10日