けっとう
決闘

冒頭文

ボギモヴォ村、一八九一年 一 朝の八時といえば、士官や役人や避暑客連中が蒸暑かった前夜の汗を落しに海にひと浸(つか)りして、やがてお茶かコーヒーでも飲みに茶亭(パヴィリオン)へよる時刻である。イヷン・アンドレーイチ・ラエーフスキイという二十八ほどの、痩せぎすなブロンドの青年が、大蔵省の制帽をかぶり、スリッパをひっかけて一浴びしに来てみると、もう浜には知合いの連中が大分あつまっていた

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • チェーホフ全集 8
  • 中央公論社
  • 1960(昭和35)年2月15日