だんのうらのおにび
壇ノ浦の鬼火

冒頭文

一 天下(てんか)の勢力(せいりょく)を一門(もん)にあつめて、いばっていた平家(へいけ)も、とうとう源氏(げんじ)のためにほろぼされて、安徳天皇(あんとくてんのう)を奉(ほう)じて、壇(だん)ノ浦(うら)のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎなことがおこり、奇怪(きかい)なものが、あらわれるようになりました。 海岸に、はいまわっているかにで、その

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1927(昭和2)年6月号

底本

  • 赤い鳥代表作集 2
  • 小峰書店
  • 1958年11月15日第1刷