一 むかし、ある田舎(いなか)の小さな町に、甚兵衛(じんべえ)といういたって下手(へた)な人形使(にんぎょうつか)いがいました。お正月だのお盆(ぼん)だの、またはいろんなお祭(まつ)りの折(おり)に、町の賑(にぎ)やかな広場に小屋(こや)がけをして、さまざまの人形を使いました。けれどもたいへん下手(へた)ですから、見物人(けんぶつにん)がさっぱりありませんで、非常(ひじょう)に困(こま)りました。