むかし印度(いんど)のある国に、一人の王子がありました。国王からは大事(だいじ)に育(そだ)てられ、国民からは慕(した)われて、ゆくゆくは立派(りっぱ)な王様になられるに違(ちが)いないと、皆(みな)から望(のぞ)みをかけられていました。 ところが、この王子に一つの癖(くせ)がありました。それは、むやみに高い所へあがるということでした。庭(にわ)で遊(あそ)んでいると、大きな庭石(にわい