ごしょがわら
五所川原

冒頭文

叔母(おば)が五所川原(ごしょがわら)にいるので、小さい頃よく五所川原へ遊びに行きました。旭座の舞台開きも見に行きました。小学校の三、四年生の頃だったと思います。たしか友右衛門だった筈(はず)です。梅の由兵衛に泣かされました。廻舞台を、その時、生れてはじめて見て、思わず立ち上ってしまった程に驚きました。この旭座は、そののち間もなく火事を起し、全焼しました。その時の火焔が、金木から、はっきり見えまし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 太宰治全集10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1989(平成元)年6月27日