きゅうはんじょう
旧藩情

冒頭文

旧藩情緒言(しょげん) 一、人の世を渡るはなお舟に乗(のっ)て海を渡るがごとし。舟中の人もとより舟と共に運動を與(とも)にすといえども、動(やや)もすれば自(みず)から運動の遅速(ちそく)方向に心付(こころづ)かざること多し。ただ岸上(がんじょう)より望観(ぼうかん)する者にして始(はじめ)てその精密(せいみつ)なる趣(おもむき)を知るべし。中津(なかつ)の旧藩士も藩と共に運動する者なれども、或

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 明治十年丁丑公論・瘠我慢の説
  • 講談社学術文庫、講談社
  • 1985(昭和60)年3月10日