てがみ いち
手紙 一

冒頭文

むかし、あるところに一疋(ぴき)の竜(りゅう)がすんでいました。 力が非常(ひじょう)に強く、かたちも大層(たいそう)恐(おそ)ろしく、それにはげしい毒(どく)をもっていましたので、あらゆるいきものがこの竜に遭(あ)えば、弱いものは目に見ただけで気を失(うしな)って倒(たお)れ、強いものでもその毒気(どくけ)にあたってまもなく死(し)んでしまうほどでした。この竜はあるとき、よいこころを起(おこ)

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ポラーノの広場
  • 角川文庫、角川書店
  • 1996(平成8)年6月25日