じゅうろくにち
十六日

冒頭文

よく晴れて前の谷川もいつもとまるでちがって楽しくごろごろ鳴った。盆(ぼん)の十六日なので鉱山(こうざん)も休んで給料(きゅうりょう)は呉(く)れ畑(はたけ)の仕事(しごと)も一段落(いちだんらく)ついて今日こそ一日そこらの木やとうもろこしを吹(ふ)く風も家のなかの煙(けむり)に射(さ)す青い光の棒(ぼう)もみんな二人のものだった。 おみちは朝から畑にあるもので食べられるものを集(あつ)め

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ポラーノの広場
  • 角川文庫、角川書店
  • 1996(平成8)年6月25日