しんやのでんわ
深夜の電話

冒頭文

第一回     一 木の茂れば、風当たりの強くなるのは当然のことですが、風当たりが強くなればそれだけ、木にとっては心配が多くなるわけです。 少年科学探偵塚原俊夫(つかはらとしお)君の名がいよいよ高くなるにつれて、俊夫君を妬(ねた)んだり、俊夫君を恐れたりする者が増え、近頃では、ほとんど毎日といってよいくらい、脅迫状が舞い込んだり脅迫の電話がかかってきたりします。 たとえ

文字遣い

新字新仮名

初出

「子供の科学」1928(昭和3)年1~5月号

底本

  • 小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕
  • 論創社
  • 2004(平成16)年7月25日