さわしのふたりむすめ
沢氏の二人娘

冒頭文

沢 一寿  悦子  その長女  愛子  その次女 奥井らく  家政婦  桃枝  その子 神谷則武  輸入商 田所理吉  船員、悦子等の亡兄の友人 東京——昭和年代     一 某カトリツク療養院の事務長、元副領事、沢一寿(五十五歳)の住居。郊外の安手な木造洋館で、舞台は白ペンキ塗のバルコニイを前にした、八畳の応接間兼食堂。 古ぼけた、しかし落つきのある家

文字遣い

新字旧仮名

初出

「中央公論 第五十年第一号」1935(昭和10)年1月1日

底本

  • 岸田國士全集6
  • 岩波書店
  • 1991(平成3)年5月10日