ながさきのでんわ |
| 長崎の電話 |
冒頭文
京都西陣(にしじん)の某と云う商店の主人は、遅い昼飯(ひるめし)を喫(く)って店の帳場(ちょうば)に坐っていると電話のベルが鳴った。主人は己(じぶん)で起(た)って電話口へ出てみると聞き覚えのある声で、 「あなたは——ですか」 と云ってこちらの名前を聞くので、 「そうです、あなたはどなたです」 と聞くと、 「わたしは○○です」 と云った。それは主人の弟で支那(しな)へ往っているものであった。
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
- 学研M文庫、学習研究社
- 2003(平成15)年10月22日