ひらやまばば
平山婆

冒頭文

福岡県嘉穂(かほ)郡漆生(うるう)村に平山と云う処があって、そこに坑夫の一家が住んでいた。家族は坑夫の息子夫婦とその両親の四人であった。 明治末季比(ごろ)、その両親夫婦、即(すなわ)ちお爺さんとお婆さんが、ちょっとした病気で僅(わず)かの間に死んでしまった。ところで、その爺さんと婆さんが死んでから間もない時のこと、そこの息子の細君が何かの用事で壁厨(おしいれ)を開けたが、開けるなり、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2003(平成15)年10月22日