おんなのでるかや
女の出る蚊帳

冒頭文

明治二年七月八日発行の明治新聞と云うのに、浜田藩の淀藤十郎と云うのが、古著屋(ふるぎや)からであろう、蚊帳(かや)を買って来て、それを釣って寝たところで、その夜の半夜(よなか)頃、枕頭へ女の姿があらわれた。それは白地に覇王樹(しゃぼてん)のような型を置いた浴衣(ゆかた)を著て、手に団扇(うちわ)を持っていた。淀は気のせいだろうと思ってそのままにしていたところで、その翌晩もまたその翌晩もやはり女の姿

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2003(平成15)年10月22日