やくびょうがみ |
| 疫病神 |
冒頭文
長谷川時雨女史(はせがわしぐれじょし)の実験談であるが、女史が佃島(つくだじま)にいた比(ころ)、令妹(れいまい)の春子さんが腸チブスに罹(かか)って離屋(はなれ)の二階に寝ていたので、その枕頭(まくらもと)につきっきりで看護していた。 それは夜であったが、その時病人がうなされていた。女史は何の気なしに床の間の方へ眼をやった。そこの床の間の隅に十五六ぐらいの少年がいて、それが腕ぐみしてじっと蹲
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
- 学研M文庫、学習研究社
- 2003(平成15)年10月22日