てんじょううらのようば
天井裏の妖婆

冒頭文

鏑木清方(かぶらぎきよかた)画伯の夫人が産褥(さんじょく)熱で入院した時の話である。 その夫人が入院した時は夜で、しかもひどく遅かった。夫人はその時吊台で病院に運ばれたが、その途中吊台の被(おおい)の隙(すき)から外の方を見ると、寒詣(かんまい)りらしい白衣(びゃくえ)の一面に卍(まんじ)を書いた行者らしい男が、手にした提灯(ちょうちん)をぶらぶらさせながら後になり前になりして歩いていた

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2003(平成15)年10月22日