せんししゃのがいせん
戦死者の凱旋

冒頭文

この話は長谷川伸君から聞いた話であるが、長谷川君は日露役(えき)の際、即(すなわ)ち明治三十七年の暮に、補充兵として国府台(こうのだい)の野砲連隊へ入営した。その時長谷川君のいた第六中隊は、中隊長代理として畑俊六(しゅうろく)将軍がいた。 長谷川君はその野砲連隊に入営中、不思議な事を経験した。それは昔から良く云う草木も眠る丑満(うしみつ)時で、午前の二時頃の事であったが、衛兵勤務に服していると

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2003(平成15)年10月22日