かいだんかいのかいい
怪談会の怪異

冒頭文

震災の前であった。白画堂(はくがどう)の三階で怪談会をやったことがあった。出席者は泉鏡花、喜多村緑郎(ろくろう)、鈴木鼓村(こそん)、市川猿之助、松崎天民などで、蓮の葉に白い強飯(こわめし)を乗せて出し、灯明は電灯を消して盆燈籠を点(つ)け、一方に高座を設けて、譚(ものがたり)をする者は皆その高座にあがった。 数人の怪異譚(ものがたり)がすむと、背広服を着た肥った男があがった。それは万朝

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
  • 学研M文庫、学習研究社
  • 2003(平成15)年10月22日