いたどりとり |
| 虎杖採り |
冒頭文
閨秀(けいしゅう)画家の伊藤美代乃女史は、秋田の出身であるが、その女史が小さい時、それは晩春(はるさき)の事であった。某日(あるひ)隣の友達と裏の田圃(たんぼ)へ出て、虎杖(いたどり)を採って遊んでいると、どこからともなく六十位の優しそうな老人が来て、 「わしにもおくれ」 と云うので、採っていた虎杖を二つ三つやると、老人は皮も除らないでべろりと喫(く)ってしまって、また手を出して、 「もうすこ
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 伝奇ノ匣6 田中貢太郎日本怪談事典
- 学研M文庫、学習研究社
- 2003(平成15)年10月22日