くわとかまのごがつ
鍬と鎌の五月

冒頭文

農民の五月祭を書けという話である。 ところが、僕は、まだ、それを見たことがない。昨年、山陰地方で行われたという、××君の手紙である。それが、どういう風だったか、僕はよく知らない。 そこで困った。 全然知らんことや、無かったことは、書くにも書きようがない。 本当らしく、空想で、でっち上げたところで、そんなものには三文の値打ちも有りゃしない。 で、以下

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 黒島傳治全集 第三巻
  • 筑摩書房
  • 1970(昭和45)年8月30日