きゅうぶんにほんばし 06 ふるやしましちべえ
旧聞日本橋 06 古屋島七兵衛

冒頭文

古屋島という名は昔の武者にでもありそうだし、明治維新後の顕官(けんかん)の姓名にもありそうだが、七兵衛さんというと大変心安だてにきこえる。葱(ねぎ)を売りにくる人にも、肥(こい)とろやさんにも、薪(まき)屋さんにもありそうな名だ。この名を覚えているのは、あたしの家(うち)の書生さんだったから——というより、道十郎(どうじゅうろう)めっかちを思いださせる顔だったからだ。 道十郎めっかちとい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旧聞日本橋
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1983(昭和58)年8月16日