ししゅうなつばな
詩集夏花

冒頭文

目次 燕砂の花夢からさめて蜻蛉夕の海いかなれば決心朝顔八月の石にすがりて水中花自然に、充分自然に夜の葦燈台の光を見つつ野分に寄す若死沫雪笑む稚児よ……早春孔雀の悲しみ夏の嘆き疾駆 おほかたの親しき友は、「時」と「さだめ」の酒(さか)つくり搾り出だしし一(いち)の酒。見よその彼等酌み交す円居(まどゐ)の杯(つき)のひとめぐり、将たふためぐり、さても音なくつぎつぎに憩ひにすべりおもむきぬ。友ら去

文字遣い

新字旧仮名

初出

「詩集夏花」1940(昭和15)年3月15日

底本

  • 詩集 わがひとに与ふる哀歌
  • 日本図書センター
  • 2000(平成12)年2月25日