さんさっかについてのかんそう
三作家に就ての感想

冒頭文

一、有島武郎氏 私は有島武郎さんの作品を讀(よ)んで、作品のうちに滲(にじ)んでゐる作者の心の世界(せかい)といふものゝ大きさや、強さといふものを深く感(かん)じます。そして、線の非常(ひじやう)に太い、高らかなリズムをもつてゐるやうな表現力(へうげんりよく)が鋭く心に迫つて來るやうな氣(き)がします。そして、如何にも作者が熱情的(ねつじやうてき)で、直情徑行的(ちよくじやうけいかうてき)な

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「文章倶樂部」新潮社、1920(大正9)年3月1日

底本

  • 文章倶樂部
  • 新潮社
  • 1920(大正9)年3月1日