しろうりとあおうり
白瓜と青瓜

冒頭文

庄次は小作人(こさくにん)の子でありました。彼の家は土着(どちやく)の百姓であります。勿論百姓といふものが一旦落ちついた自分の土地を離れて彷徨(さまよ)ふといふことはよく〳〵の事情が起らない限りは決してないことであります。自分に土地を所有する力の無いものは他(ひと)の土地を借りて作物(さくもつ)を仕付(しつけ)ます。そして相應に定められた金錢や又は米や麥の收獲の一部を地主(ぢぬし)へ納めるのであり

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 長塚節全集 第二巻
  • 春陽堂書店
  • 1977(昭和52)年1月31日