オフェリヤごろし
オフェリヤ殺し

冒頭文

序、さらば沙翁舞台よ すでに国書の御印も済み幼友達なれど 毒蛇とも思う二人の者が使節の役を承わり、予が行手の露払いまんまと道案内しようとの魂胆。何んでもやるがよいわ。おのが仕掛けた地雷火で、打ち上げられるを見るも一興。先で穿つ穴よりも、三尺下を此方が掘り月を目掛けて、打上げなんだら不思議であろうぞ。いっそ双方の目算が同じ道で出会わさば、それこそまた面白いと云うもの。と云いつつ、ポローニアスの死骸を

文字遣い

新字新仮名

初出

「改造」改造社、1935(昭和10)年2月号

底本

  • 二十世紀鉄仮面 小栗虫太郎全作品4
  • 桃源社
  • 1979(昭和54)年3月15日