こもりっこ
子守つ子

冒頭文

夜、子守子のバルカは、きゝとれないくらゐの、ひくいこゑで、子守歌をうたひながら、赤ん坊のねてゐるゆり籠をゆすぶつてゐました。 「ねん〳〵よう。 ねん〳〵よう。」 神だなの前には、ランプが緑いろにともつてゐます。壁から壁へ、細いひもがかけわたしてあつて、赤ん坊の着物や、大きなズボンなどが、うす黒くぶらさがつてゐます。ランプのつるしてあるま上の天井が、まるく、大きく、緑いろに

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」1932(昭和7)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 第一〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日