こいぬ
小犬

冒頭文

一 村のとほりにそうた、青い窓とびらのついた小さな家(うち)に、気どりやの、そのくせ、お金にかけては、をかしなほどこまかな、おばあさんが、女中と二人で、ひつそりとくらしてゐました。 二人は、家(うち)のまへの小さな庭へ、いろんな野菜ものなぞをつくつてゐました。 ところが或(ある)晩、だれかゞその畠(はたけ)へはいりこんで、玉ねぎを十ばかりぬすんでいきました。女中のローズが

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」1926(大正15)年9月

底本

  • 日本児童文学大系 第一〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日