一 村のとほりにそうた、青い窓とびらのついた小さな家(うち)に、気どりやの、そのくせ、お金にかけては、をかしなほどこまかな、おばあさんが、女中と二人で、ひつそりとくらしてゐました。 二人は、家(うち)のまへの小さな庭へ、いろんな野菜ものなぞをつくつてゐました。 ところが或(ある)晩、だれかゞその畠(はたけ)へはいりこんで、玉ねぎを十ばかりぬすんでいきました。女中のローズが