ぽっぽのおてちょう
ぽつぽのお手帳

冒頭文

一 すゞ子のぽつぽは、二人とも小さな〳〵赤いお手帳をもつてゐます。この二人は、「黒(くろ)」よりもにやァ〳〵よりも、「君(きみ)」よりも、だれよりも一ばん早くから、すゞ子のおあひてをしてゐるのです。 一ばんはじめ、或(ある)冬の、氷のはつてゐる寒い日に、二だいの大きな荷馬車がお荷物をつんで、ぽつぽたちのながく住んでゐた村から、町の方へ、こと〳〵出ていきました。ぽつぽは、あのまゝかご

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」1918(大正7)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 第一〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日