げんぱちぐり
源八栗

冒頭文

一 もうりい博士は、みなとの汽船会社から、こまりきつたかほをして、かへつて来ました。それは、午後一時に、出るはずの汽船が、四時にのびたからです。 もうりい博士は今晩の八時から、次の町でお話をする、やくそくをしてあるのです。だから、四時のおふねにのつては、十時すぎにしか、次の町へつくことが出来ないのです。 ふねにのらないとすれば、三十きろのみちを、あるかなければなりません。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「金の星」金の星社、1928(昭和3)年1月

底本

  • 日本児童文学大系 第一一巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日