ぐすけだいおしょう
愚助大和尚

冒頭文

愚助(ぐすけ)は忘れん坊でありました。何を教へましても、直(す)ぐ忘れてしまふので、お父様は愚助を馬鹿(ばか)だと思ひ込んで、お寺の和尚(をしやう)さまに相談にまゐりました。すると和尚さまは、 「其(そ)の子は御飯を食べますか。」と、ききました。お父様は、 「はいはい、御飯は二人前ぐらゐ平気で食べます。」と、答へました。和尚様は、又、 「其の子は打(ぶ)てば泣きますか。」と、問ひました。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「金の星」金の星社、1925(大正14)年4月

底本

  • 日本児童文学大系 第一一巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日