かやのつりて
蚊帳の釣手

冒頭文

一 万作(まんさく)は十二歳になりました。けれども馬鹿(ばか)だから字を書く事も本を読む事も出来ません。数の勘定もやつと一から十二までしか知らないのでした。 「おい万作! お前は幾歳(いくつ)になつた。」と問ひますと「十二です!」と元気よく答へますが、其時「来年は何歳(いくつ)になる?」と問ひますと、もう黙つてしまひます。それは、十二の次が十三だといふ事を知らないからであります。だから

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本児童文学大系 第一一巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日