ゆきにうもれたはなし
雪に埋れた話

冒頭文

お秋さんは、山へ柴刈(しばかり)に行つたかへりに、雪に降りこめられました。こん〳〵と止めどなく降つてくる雪は、膝を埋め、腰を埋め、胸を埋める深さにまで積つてきました。お秋さんは、大きな柴の束を背負つたまゝ、立ちすくんでしまひました。 「もう助かりやうはない。」 と思つて、目をつぶつて静かにしてゐますと、だん〳〵気が遠くなりました。そして、何時間たつたことやら分りませんが、誰か自分を呼ぶやう

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本児童文学大系 第九巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日