みがわり
身代り

冒頭文

五月雨がしよぼ〳〵と降りつゞいて、うすら寒い日の夕方、三郎さんは、学校からかへつて、庭向きの室でおさらひをしてゐますと、物置の方で、 「三郎や、ちよいと来てごらん。」といふお母さんの声がしました。障子をあけて見ますと、庭さきの物置小屋の軒下に、白手拭(しろてぬぐひ)を姉さんかぶりにしたお母さんの姿が見えました。足もとに何か居ると見えて、お母さんは俯(ふ)し目にして立つて居られます。 「お母

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本児童文学大系 第九巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日