とみおかせんせい
富岡先生

冒頭文

一 何公爵(こうしゃく)の旧領地とばかり、詳細(くわし)い事は言われない、侯伯子男の新華族を沢山出しただけに、同じく維新の風雲に会しながらも妙な機(はずみ)から雲梯(うんてい)をすべり落ちて、遂(つい)には男爵どころか県知事の椅子一(ひとつ)にも有(あり)つき得ず、空(むな)しく故郷(くに)に引込んで老朽ちんとする人物も少くはない、こういう人物に限ぎって変物(かわりもの)である、頑固(がんこ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 牛肉と馬鈴薯
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1970(昭和45)年5月30日