せんぼんぎがわ
千本木川

冒頭文

裏の山から出て、私(わたし)の村の中ほどをよこぎつて、湖水へ流れこむ川を、千本(ぼん)木(ぎ)川(がは)といひました。千本木川——どうして、そんな名まへがついたのでせう。私の幼いころの記憶では、川ぶちに目立つほどの木もなかつたと思ひましたが—— この千本木川の岸に沿つて、ほそい一すぢ道が湖水の岸までつづいてゐました。私はその道づたひに、歩いて行くのが好きでした。 川は葭(よし)

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本児童文学大系 第九巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日