いちろうのみせ
市郎の店

冒頭文

一 ある港町の、港と停車場との間の、にぎやかな街路に、市郎(いちろう)の店はありました。店といっても街路の上の屋台の夜店で、その夜店のほんのかたはしなのです。 そのへんは、船や汽車の旅人がたくさんゆききするところで、また、町の人がたくさんであるくところです。それで、夜になると、いろいろな夜店がたちならびました。 市郎の夜店は、市郎のお母さんが出していたものです。いろい

文字遣い

新字新仮名

初出

「國民六年生」1942(昭和17)年1月

底本

  • 日本児童文学大系 第一六巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日