ふしぎないけ
ふしぎな池

冒頭文

一 朝早くから、子供たちは、みんな、政雄(まさを)の所に集りました。 「早く行かうよ。」 待ちくたびれてゐる所へ、政雄が出て来ました。 「さあ、行かう。」 政雄をまん中にして、一かたまりになつて出かけました。 政雄は、白ぬりの舟をかついでゐます。おもちやの舟です。おもちやですけれども、長さが三メートルもある大きな物で、ぜんまいじかけのきかいがついてゐて、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「セウガク二年生」1938(昭和13)年8月〜1939(昭和14)年3月、「せうがく三年生」1939(昭和14)年4月〜5月

底本

  • 日本児童文学大系 第十六巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日