スミトラものがたり
スミトラ物語

冒頭文

むかし、インドのある町に、時々、飴うりの爺さんが出てきまして、子供たちにおもしろい話をしてきかせて、うまいまつ白な飴をうつてくれました。大きな大黒帽をかぶり、黒い衣をき、白いながいひげをはやしてゐて、どこからかやつてきてはまたどこかへ行つてしまひます。どこのどうした人かわかりませんが、みんなから、スミトラ爺さんとよばれてゐました。その白い飴がたいへんうまく、その話がたいへんおもしろいので、子供たち

文字遣い

新字旧仮名

初出

「幼年倶楽部」講談社、1934(昭和9)年9月~1935(昭和10)年2月

底本

  • 日本児童文学大系 第十六巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日