エミリアンのたび
エミリアンの旅

冒頭文

ヨーロッパから西アジヤにかけて、方々にちらばつてる一つの民族があります。何かの職業について、一つ処(ところ)に住居(すまひ)を定めてる者もありますが、多くは、各地をわたり歩いてる流浪の者です。それで、数は少いけれど、到(いた)るところに見かけられます。彼等(かれら)は自分でロマ人(びと)だとかコラ人(びと)だとかいつてゐますが、フランスではボヘミアンと呼ばれ、イタリヤではツンガリーと呼ばれ、イギリ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「少年倶楽部」講談社、1932(昭和7)年7月~12月

底本

  • 日本児童文学大系 第十六巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日