だいぼさつとうげ 23 たしょうのまき
大菩薩峠 23 他生の巻

冒頭文

一 清澄の茂太郎は、ハイランドの月見寺の三重の塔の九輪(くりん)の上で、しきりに大空をながめているのは、この子は、月の出づるに先立って、高いところへのぼりたがる癖がある。人に問われると、それは、お月様を迎えに出るのだというが、しかし今晩は、どうあっても月の出ないはずの晩ですから、茂太郎も、それを迎えに出る必要はないはずです。 天には星の数 地にはガンガの砂の数 大声

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 大菩薩峠8
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年3月21日