きんのねこのおに |
金の猫の鬼 |
冒頭文
一 むかし、台湾(たいわん)の南のはじの要害の地に、支那(しな)の海賊がやつてきて、住居(すまひ)をかまへましたので、附近の住民はたいへん困りました。殊にその海賊の首領は、頭に角が一本ある鬼で、船には守神(まもりがみ)として黄金の猫(ねこ)をもつてるといふので、「金(きん)の猫(ねこ)の鬼」と綽名(あだな)されてる、気性の荒々しい大男でした。 「金の猫の鬼」をどうかしてたちのかせた
文字遣い
新字旧仮名
初出
「少年倶楽部」講談社、1933(昭和8)年10月
底本
- 日本児童文学大系 第一六巻
- ほるぷ出版
- 1977(昭和52)年11月20日