シャボンだま
シャボン玉

冒頭文

一 むかし、トルコに、ハボンスといふ手品師がゐました。三角の帽子をかぶり、赤や青の着物を着、一人の子供をつれて、田舎の町々を廻(まは)り歩きました。そして町の広場にむしろをひろげて、いろんな手品をして見せました。しやちほこ立(だち)や、棒上りや、金輪の使ひ分けや、をかしな踊りなどを、太鼓(たいこ)をたゝきながらやるのです。 けれども、さういふ広場の手品師の生活は楽ではありません

文字遣い

新字旧仮名

初出

「赤い鳥」赤い鳥社、1926(大正15)年3月

底本

  • 日本児童文学大系 第一六巻
  • ほるぷ出版
  • 1977(昭和52)年11月20日