ごぼうくんとだいこんくん
ゴボウ君と大根君

冒頭文

大根とごぼうが 一しよに暮してゐました。 或日(あるひ)、大根の所へ 手紙が参りました。その時、大根は用事があつて外出してゐましたので ごぼうが代りに受け取りました。ごぼうは、なかに、どんな事が書いてあるか 知りたくてたまりませんでした。けれども、いくらごぼうでも、「ひとに来た手紙を、ことわりなく勝手に開ける事はよくない事である。」といふ位のことはよく知つてゐます。ごぼうは手紙を大根の机の上に置

文字遣い

新字旧仮名

初出

「コドモノクニ」東京社、1938(昭和13)年2月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日