きりぎりす の かいもの
きりぎりす の かひもの

冒頭文

ある八百屋さんの店に きうりが山のやうに 積んでありました。その山のてつぺんで 一本の 大きなきうりが ぐうぐう眠つてゐました。初めは 一番下にゐたのですけれども、どんどん仲間を押しのけて、いつの間にかてつぺんによじ(ママ)上り、いゝ場所をとつて お昼寝してゐたのです。かういふきうりを、横着きうりと言ひます。 そこへ 一匹のきりぎりすが きうりを買ひに来ました。 きりぎりすが、きうりを 大好き

文字遣い

新字旧仮名

初出

「コドモノクニ」東京社、1937(昭和12)年11月

底本

  • 日本児童文学大系 第二六巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日